–土地活用–【競争しない賃貸住宅 vol. 1】
◎コラム 設計事務所と考える賃貸住宅
土地の有効活用の一環として賃貸住宅を考える時、人任せにせずにどんな建物を提供するのかを自ら考える事はその後の運営のためにとても重要な事です。
私達は土地活用の企画を考えるところからオーナーと共に考え、設計過程でコンセプトを共有していくことで、建物が完成する頃にはオーナーがその建物をどう運営していくかイメージしていただけるようにしています。周辺地域とオーナーの個性とが連動して良い循環が生まれる建物を建てることが借りる人を引きつける。
魅力ある賃貸住宅を建てようと思われたなら、目標にすべきはあえて「競争しない賃貸住宅」です。
それはいったいどういうことなのか? 5つのコラムでご説明します。
▪建物は環境をつくることができる
自ら良好な地域環境をつくり出し資産価値を上げる計画を!

街を歩く人や2階デッキ部分を通る人に大きな木の軒を提供し、商店街のイメージを明るく変える賃貸住宅
—土地や建物は、数字では計れない可能性を持っている
どんな土地でも賃貸住宅を企画していくときには、収支の数字を追い計算上の利益が最大になること考えます。それは誰でも手に入るデーターではありますが、ボリュームをスタディし、企画していくベースとなるものを導き出すのに有効です。
一方でそれは現在の社会情勢を前提としたデーター・評価であり、将来周辺環境が変わったら? 新築としてのメリットが失われた時は? 世の中はどう変化していく? など、誰にとっても不確定要素である懸案事項も残ります。そのため「一括借り上げ、サブリース」という言葉が大きな魅力に感じることもとても理解できます。
しかし、大切な資産をその数字をベースに人任せで運用することは本当に安全でしょうか。 ご承知のように賃貸経営は「投資」である限りリスクを伴います。しかも長い期間に渡る投資です。社会情勢など自分ではどうにもならない不確定要素もありますが、賃貸経営では自らできることもあります。敷地周辺地域の価値を上げる働きかけをし、時間をかけて地域が良い雰囲気になるように継続して管理していくことは積極的に資産を守ることであり、賃貸そのものの差別化にも繋がります。私たちはこれを「街に寄与する資産運営」と呼んでいます。
—10年後の地域の変化を作り出す建物を建てる
たとえば、夜になると暗い住宅街、緑が少ない工業地帯など、地域で必要とされる環境をアップさせる仕掛けを組み込むことで周辺の住環境が徐々に良くなり、長期的に考えると借り手にも魅力的な物件になる。win win winの三方良しを目指す努力が長期にわたる賃貸経営を成功させるための要素であると考えています。
ステラ湘南 街を歩く人々に軒先を提供し、駅から降りて暗い夜道を明るく照らす。 テナント+賃貸+オーナー住宅
◎コラム 設計事務所と考える賃貸住宅
【競争しない賃貸住宅 vol.1】 ▪建物は環境をつくることができる
【競争しない賃貸住宅 vol.2】 ▪個性的な外観デザインは本当に集客効果があるか
【競争しない賃貸住宅 vol.3】 ▪レンタブル比MAXだけで大丈夫か
【競争しない賃貸住宅 vol.4】 ▪ずっと新築のまま、という建物はありえないなら…
【競争しない賃貸住宅 vol.5】 ▪本当の差別化とはなんだろう