Design Process
〔Column〕動物病院設計の設計と未来
★動物と共に生きる社会が定着し、動物病院の社会での役割も多様に。
動物と人間が共に暮らす社会が広がり、住宅や集合住宅の設計でも人と動物が共生することが条件になるご依頼がとても増えてきました。
20年前、弊社で最初に動物病院の設計をした時から年々動物病院の設計も多様化し、院長先生の方針や診療内容などの細分化や専門性の高い病院を設計することが多くなっています。
社会の変化の中で動物病院はますます生活に無くてはならない重要なものになっていくことは確かなので、これから動物病院を設計する上で私達が何を提供できるかについて考えています。世の中の変化が急速になっている中ではこれからの社会のニーズも大きく変わることが予想されるのですが、それを捉えたいと思いながら、一方では変わらない価値もあり、その普遍的なものを中心に据えつつ変化に柔軟に対応できることが必要だと考えています。

■病院のアイデンティティをかたちにする
高度医療、エキゾチックアニマル、終末医療、地域密着など、病院の個性や方向性を表現することは、患者様からもわかりやすく信頼を得やすくなるばかりではなく、働くスタッフへの病院の方向性を示し、チームワークや団結力を生みます。単に機能性を追求するだけでなく、「病院の理念やビジョンを体現するデザイン」を目指すことは単に競争力のある病院というだけではない病院のブランディングを実現します。
■病院独自の効率的な動線計画で働きやすさを追求
受付・会計、診察、検査、処置など、病院全体の連携を考慮した効率的なフロー設計は、働く人への負担を軽減し、より質の高い医療サービスの提供に繋がり、患者様と動物のストレスも軽減します。それぞれの病院に適したスタッフの連携ができるようにワークショップなどを開いてご意見を取り入れて計画することもしています。

■待合空間は癒しと交流の空間へ
待合空間は患者様と動物たちがリラックスして過ごせる空間であると同時に、病院の顔となる場所でもあります。同時に最近では飼い主さん同士の交流が生まれたり情報を得たりと、地域交流ができる場はこれからの社会全体でのキーワードになっています。


■院長先生の理念を具現化するデザイン
院長先生の診療方針や理念を丁寧にヒアリングし、「どのような動物医療を提供したいのか」を整理し、どういった構成にするのがベストかを一緒に組み上げていきます、合理的な建物でありながら、理念やビジョン、地域との繋がりといった病院の「物語」が見えることも長い間愛される病院に繫がる秘訣だと思います。
■環境に配慮した設計は未来への投資
新築で建てられる場合、環境に配慮した持続可能な医院にすることは働く人や動物にも良い影響をあたえますし、医院経営のエネルギー戦略や災害時の拠点としてのあり方にも関わってきます。最近ではサスティナビリティに対応する会社であることを選択基準にする環境配慮型の消費行動も多くなっています。FEDLでのエネルギー対策は自然を最大限に活用したり省エネ設備を導入したり、その他いろいろな方向からその場所や条件に合った対策を複数組み合わせて適正な建物環境になる事をしています。
■フレキシブルな空間設計
時代やニーズの変化に合わせて柔軟に対応したり、イベント開催対応ができるような空間の可変性を持たせること、または将来的な拡張計画やリニューアルに対応できるように設計を検討しておく事も可能です。

FEDLではこれらのこと以外にも個別で多様な動物病院へのニーズに応えたいと思っています。
動物病院コンサルなど各分野の専門家と連携しながら、院長先生やそこで働く方々とチームで企画から作り上げる事で患者様にも働くスタッフに対しても居心地の良い動物病院をつくります。
また、住宅や商業施設ビルやレストラン設計など、多様な建築設計を手がけてきた経験から、高度医療から地域密着まであらゆるニーズに対応し、既成概念にとらわれない、自由な発想で、動物病院の可能性を広げていきたいと思っています。
動物病院設計の際はお気軽にお声がけください。