SHELL HOUSE シェルハウス

若いご夫婦のための住宅。土地は広いので、初期にはコストをかけずに、この後変化していく家族構成の様々なケースを想定しそれぞれの場合で必要な空間ボリュームと関係性をスタディしました。
スペースを段階的に増やす方法を検討した結果、天井が高く大きなボリュームの平屋をつくることにしました。その空間に木造で仕切りを作り、将来その上に床を作って部屋を増設できるようになっています。（2023年に子供部屋を増設しました。）

外と内の入れ子構造

エントランス、バスルーム、寝室、LDKを4つの坪庭にそれぞれ絡めることで、家のどこにいても開放感が感じられ、それぞれの庭に面した窓からの景色に変化があることで、大きなワンルームのような家であっても単調な雰囲気にならないように計画しました。また数少ない具体的な要望の一つであった『家族に迷惑のかからない音楽室』を離れとしてつくることで、ＬＤＫと庭と音楽室が、より親密なたたずまいになるよう配置しています。

空間の性格と構造

大きく柱のない空間をつくる為に、50mmの無垢の鉄の角柱で構成した簡単なフレームに75mmのLアングルに溶接したデッキプレートを立て掛けて主体構造としています。外側の殻部分は柱のないデッキプレートの連続した自立構造とする事でどこまでも反復可能な壁となっており、それがのびのびとした空間のイメージを作り出しており、デッキプレートはそのまま塗装し、内装の仕上げとしています。