Projects
YADOKARI ヤドカリ
Information
密集した路地に建てるにあたりクライアントからは、
プライバシーを確保するため解放的ではないこと。
近くの感染道路の騒音が聞こえないこと。
キッチンは独立していること。
有機的な手触りと温かさがある家。など
通りから段階的に奥に行くほどにパブリックからプライベートへ移行する空間にすること
など、
お二人のをこだわりが詰まった住宅をつくるために検討したのは大きな殻に包まれた小さな家。
生活をするための機能的な部分を収めた在来木造のボリュームを木造ラーメンで覆う大きな殻が包み込む構成です。またその間の部分をリビングダイニング、ライブラリとし、縦に繋げてそこから屋上原っぱ(緑化)に登れるようになっています。
外観はシンプルな形態なので屋根には太陽光発電パネルを効率的に載せてこの家で使用する電気を十分まかなえる発電量を確保できています。
ヤドカリの殻の隙間が作り出す光と影、天井の高さが家の中に静けさと開放感を同時に提供しています。
構造計画
殻部分は38*235のツーバイ材をダブル使いとしジョイント部分に6mmのスチールプレートを挟み込みドリフトピンで固定した木造ラーメンフレームに合板を両面貼りとし、自立した最大スパン6m弱の大きな殻を構成。そこに2層の在来軸組のボリュームが北側の部分と南側の梁でつながれ一体となっています。
周辺との兼ね合いや内部的要件を満たすための検討
- 北側隣家の2階の広いバルコニーの露地栽培に影響が出ないようにする。
- 路地のスケールに対しての全体のバランスと形。
- 内部空間が間延びしすぎない大きさとモジュール。
- 音の反響などを考えた素材と壁面の角度
- 空気や音や意識が隙間から抜けるための各ボリュームのバランス。
大きな内部空間を確保しながらも、実質的な周辺への影響をなるべく抑えるようにしています。路地の入り口から訪れた建物は一見主張のある姿に見えますが、近づくにつれて暖かみのある有機的な形となり、内部に入ると包まれているような温かい空間が迎えてくれるさまざまな表情を持つ家です。
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- STATUS
- Completed 2010
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- CATEGORY
- New Construction
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- LOCATION
- Tokyo, Japan
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- PROGRAM
- Residence
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- STRUCTURAL TYPE
- Wooden
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- ARCHITECT
- FEDL
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- PROJECT TEAM
- Takanori Ihara, Kazumi Murayama
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- STRUCTURAL ENGINEER
- Ken Nagasaka Engineering Network
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- CONSTRUCTION
- Numata Kougyou
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- PHOTOGRAPHER
- Takeshi Taira